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参院選真っ只中、菅 元首相が、安倍首相を名誉毀損で提訴 妙な話じゃないか [日本関連なニュース]

民主党の菅直人 元首相が今月16日、東京電力福島原発事故を巡り、安倍晋三首相が、当時の菅内閣の対応をメールマガジンで批判、名誉を傷つけられたとして、記事の削除、謝罪、慰謝料の支払いを求め東京地裁に提訴。

問題になっている部分は、2011年5月20日のメルマガで、『菅総理の(原発への)海水注入指示はでっち上げ』と題する記事を配信し、『注入を止めたのは菅総理その人』、『注入は総理の英断との嘘を側近が新聞・テレビにばらまいた』などと指摘した点。

この時点で、妙だと思うのが、メルマガが最近配信されたものではなく、2011年5月20日のものということ。東日本大震災が、2011年3月11日に発生し、それから、2ヶ月ほど経った頃に配信されたメルマガを、2年後に、わざわざ参院選の真っ只中に持ってきている。

菅元首相は、安倍首相を提訴することで、劣勢が伝えられている民主党の勢いを盛り返そうと思っていたのではないだろうか。こういう行動は、プラスに働くか、マイナスに働くかが極端に現れるため、どちらかになりがちだが、民主党内部でも、この行動には驚いたはずだ。

ポイントはいくつかあるのだが、分かりやすいところでは、メルマガの内容が真実かどうかだが、当時報じられていた情報をかき集めてみると、当たらずとも遠からずな雰囲気を感じる。

当時、東京電力福島第一原子力発電所 1号機の事故直後、東電は、自らの判断で原子炉を冷やすために行っていた海水注入を停止した発表しており、これが、当時の菅首相が指示したのではないかと追求を受け、菅首相は、『当時、海水注入を始めていたことは知らず、中断を指示したことはない』発言。この時点で、海水注入が、菅首相による指示ではないことは明らかで、本人が語っているのだから間違いない。

なぜ、東電は、海水注入を一旦停止したのかについては、再臨界の懸念、議論がされていることがわかったため、海水注入を中止し、官邸の判断を仰ぐことになったためとしている。ところが、海水を注入していることすら、官邸にはうまく伝わっていないなど、情報が錯綜していたという。

海水注入が、一時的に停止していたのが、55分間なのだが、このとき、今月9日に亡くなった福島第一原発事故の収束作業を指揮した 吉田昌郎元所長は、東電本店からの指示を無視し、独断で海水注入を継続させている。これは、各紙が報じるところ。

吉田元所長が、本店からの指示を最初から受け入れず、海水注入を続けていたのか、それとも、一旦注入を停止させ、現場の判断で注入を再開したのかが、よく分からないところ。

ただ、独断で海水注入を継続させたことは確かなため、停止した55分間後の注入再開が、吉田元所長の独断だったとすれば、仮にそれを菅元首相が追認しても、英断とはならない。すでに行われているのだから。

この状況から、海水注入について、官邸の判断を仰ごうと、実際には注入が止まっていたかどうかは分からないが、止まっているということで、東電は判断を仰いでいる。その判断が、なかなか出せずに、時間だけが過ぎていたとなると、注入を止めたとまでは言えないが、実質的には止まった状態が続いていたことになる。

こういう話は、簡単に言った言わないで白黒はっきり付くような話にも思えないところがある。しかも、メルマガは2年以上前に出されたもので、名誉毀損で訴えるなら、メルマガが出された時点で行うべきことにも見える。

個人的にいろいろ考えてみると、参院選中に提訴したところで、すぐに結論が出ないところにポイントがあるんじゃなかろうか。どういうことかというと、このメルマガの話は、もともと提訴したところで、事実確認が困難なものだけに大した結果はでないのかもしれない。

だからこそ、参院選中に安倍首相のイメージダウンを狙い、前代未聞の『提訴された』というキーワードが欲しかったんじゃないかと。もし、実際は、安倍首相のメルマガ通りだったとしても、参院選に民主党が勝つために、泥をかぶるつもりで出した話だと凄いのだが、これまでの行動から、そういうタイプではなさそうだ。

ただ、こういうカタチで訴えるにしても、菅元首相の人気が高ければ効果はありそうだが、いかんせん、民主党議員からも疎まれている姿が多々見られ、身内でそうだとさすがに重く感じられない。恐らく、提訴はしたものの、選挙の流れを変えるようなことには全くならなそうだが。

結果は、日曜日に明らかになるのだろう。


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